ゆかいの妄想日記 イラスト

「ゆかいな妄想日記」は、YOUNiiiiQの編集者・伊藤愉快が月1回、
「福島にないもの」をテーマにこんなことしたら楽しいな、こんな場所あったらおもしろいな、
なんてことを無責任に妄想して口にする妄想コラムです。

第4話 駅のホームにあるコーヒースタンド

2話、3話は夏の暑さに文句を言うところから始まりました。今回も季節の変わり目に文句を言うところから始まります。
すっかりホットコーヒーを飲む季節になりましたね。あんなにも早く終わってくれ、しつこいと思っていた暑さがいつの間にかいなくなってしまい、最近の朝と夜は少し肌寒いくらいです。
わがままだけど、少しだけ寂しい。別れのひと言くらいあってもいいじゃないか・・・夏よ、また来年。

でも、秋も好きな季節です。外で過ごすのには快適な気温だし、「味覚の秋」と呼ばれているくらいに秋は食が楽しい季節。そして、なんといってもコーヒーをホットで飲むのがおいしい季節。もちろん、アイスコーヒーも好きなんですけどね、ぼくはホットで飲むのが好きかもしれません。「コーヒーをホットで飲むことができる」と思えるこのタイミングが好きなだけかもしれないけど(笑)

寒さって、どこか寂しさや儚さを感じませんか?朝起きて布団から出た時とか、夜の帰り道とか、ふと感じる肌寒さ(共感してよ、恥ずかしいから)。そんな時に飲むホットコーヒー。心も体も温まるとはまさにこのことで、コーヒーがぐっと縮こまった心をゆっくりと広げてくれるような気がします。ホットコーヒーは優しいです、いつだってみんなの味方。だから好きです。

今回は、少し肌寒い夜にホットコーヒーを飲みながら、心が温まるような妄想をひとつ。

見知らぬ土地に、ひとりで行くのは心細いものです。それは、なんでもある都会に行くよりも、なにがあるか分からない地方に行く時の方が大きいかもしれない。実際に行ってしまえば、偶然入った店の店主が優しい人で、その場にいたお客さんと波長が合って、そのまちが好きになった。なんてこともあるだろうけど、逆も然り。

その良くも悪くもの出会いがあるのが見知らぬ土地に行く醍醐味なのかもしれないけど、どこか1カ所だけでも、ひとりだけでも、その土地に行ってよかったと思える出会いがあるとうれしい。

そんな出会いが、福島には駅のホームにある。そこは大学生がバリスタをしているコーヒースタンド。(なんだか似ているコンセプトのバーが福島にあったな)

メニューは、コーヒー(300円)、カフェラテ(390円)、エスプレッソ(300円)この3つだけ。コンビニや自販機よりは少し高いがスタバよりは安い。店内はスタンドで4人は入れるか入れないかくらいの広さしかなく、小さな窓口から注文してテイクアウトして帰る人がほとんど。そんな小さな店だが、福島に1人で来た人はとりあえずここに立ち寄る。

店に店員はひとりしかいなく、注文を受けられるのも1人ずつ。しかも、ハンドドリップで淹れているから提供までの時間が掛かってしまう。でも、この待っている時間こそがこの店が提供する大切な時間。
コーヒーを淹れ終わるまでに掛かる時間は約3分。朝の忙しい時間だと3分でも長く感じることもありますが、コーヒーを淹れている様子を落ち着いた心で見守ってみてください。その間に慣れない手つきでコーヒーを淹れている学生が話しかけてくれます。学生ながらに、あまり詳しくはない街のことを説明をしてくれます。そうすると、3分なんてあっという間です。

気が付いたら温かいコーヒーを受け取って、学生に「いってらっしゃい」と見送られながら改札に向かっていると思います。


福島に来てすぐに福島の人と話すことができる。一期一会かもしれないけど福島に知っている人ができる。
心も体も温まって、すごく気分よく改札を抜けることができると思います。

コーヒー1杯からはじまる ふくしま

このコーヒースタンドがあるから、ひとりでも福島に安心して来れる。また来たいと思える。
1杯のコーヒーがあなたを福島に温かく迎え入れてくれます。

店のスタイルはさまざま。無口な職人気質な店主のいる店もあれば、おしゃべりでお節介なくらい面倒見の良い店主がいる店もある。
それぞれに良さはあると思うが、入り口には少しでも優しさを置いてあるといいな。福島に来た人が、福島に優しい気持ちを持って貰えるようにになりますように。

第5話に続く。

あとがき

記事を読んでいて、「ん?季節感おかしくないか?」と思った皆さん。ごめんなさい。今回の妄想は秋口にしてはいたのですが、忙しさを言い訳に公開できずにいました・・・。 その代わりと言ってはなんですが、9月・10月でいい感じのイベントと出版プロジェクトを進めることができました。そちらも近々お知らせするのでお楽しみに。
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すづ

2003年生まれ。会津若松市出身。
地元で漆芸を学んだ後、個人でイラスト制作の活動をしながら
ものづくりに携わるお仕事をしています。

@zuuus__