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福島駅前再開発を前に、僕たちが考えるべきこと

こんにちは。昨日、「福島駅前交流・集客拠点施設中間報告会」に参加しました。
地元でローカルメディアの活動をしている僕たちにとって、こういう場に足を運ぶのは初めてではありません。でも今回、会場を出たあと、胸の中に残ったのは、なんとも言えない違和感と、少しだけ深まった「福島」という街への問いでした。

気づいたら知らない街になっているかもしれない

正直なところ、再開発について詳しい知識があるわけではありません。だからこそ、説明を受けながら「これって本当に必要なのかな?」と改めて考えることができたのは良い機会だったと思います。でも同時に、こんなふうにも感じました。
「気づいたら福島が知らない街に変わっているんだろうな」って。
それは、どこか諦めにも似た感覚でした。過去にも再開発が行われてきたこの街で、また新たな計画が進んでいく。その流れの中で、自分たちが感じている福島の魅力や価値観が置き去りにされるんじゃないかという不安です。

20年後、30年後も住んでいたい。そう思える街にしなければいけないと思います。でも今の計画を見ると、その頃には「限界を感じる街」になってしまうんじゃないかという危機感もあります。それなら今、この瞬間にもっと深く考え直す必要があるんじゃないでしょうか。

福島の魅力ってなんだろう?

報告会では、コンベンションホールやフードホールといった施設計画が紹介されました。それ自体は立派な計画だと思います。でも、それを聞きながら心の中で浮かんだのは、「これって福島である必要がある?」という疑問でした。僕たちが思う福島の魅力と、今日話されていた方々が思う福島の魅力には、大きなズレがあるように感じました。(”僕たちの思う福島の魅力”についてはvol.02「街人」掲載企画「『福島には何もない』をグラレコで考えてみる」を参照ください)もちろんどちらが正しいとか間違っているとかではありません。でも、そのズレに気づいたことで、「自分にとって福島の魅力とは何か」を改めて考え始めるきっかけになりました。

若いうちにしかできないこと、今やりたいことや挑戦したいことはたくさんあります。だからこそ、「何かを変えることが難しい再開発事業」に時間を費やすより、一刻も早く福島を出て、新しく柔軟な環境で経験を積むべきなのかもしれない。そんなふうに思う瞬間もあります。でも、それでもやっぱり、福島は僕たちの故郷であり、大切な場所です。だから簡単には諦められません。そして若さや時間を費やしてでも、この再開発事業と向き合うことには価値があると思います。それは僕たちだけでなく、次の世代へつながる大きな主題だからです。

再開発を「自分ごと」にするために

再開発そのものを否定するつもりはありません。この街には新しい風が必要だし、それが経済的な活力につながることも理解しています。ただ、一つだけ思うこと(お願い)があります。それは「意思ある会話」をすること。行政と市民、若者と大人、お互いの立場を理解し合いながら、本音で語り合う場がもっと必要なんじゃないかと思うんです。報告会では質疑応答の時間もありました。でも、それは対話というよりも一方通行や平行線に近いものでした。本当に大切なのは、その後に続く対話なんじゃないでしょうか。

僕たちにできること

正直なところ、再開発事業について考えるのは少し疲れるし、「もう聞きたくない」と今回の中間報告会の終わりに思いました。それでも、再度、目を背けず、この街の変貌と向き合いたいと思っています。それは何かできるからとか、大きな影響を与えられるからではありません。ただ、この街で暮らす一人として、自分なりにその変化を見つめ続ることで、自分やその周囲の人たちと「この街で楽しく過ごしたい」、「そんな未来を作りたい」と思っているからです。そのために、自分たち若い世代にもできることがあります。それは、自分たちなりの視点で福島の魅力を発信し続けること。この街には素晴らしい場所や人々、文化があります。それを知り、伝え合いながら、「自分ごと」としてこの街の未来を考える空気感を作っていくこと。それなら僕たちにもできる気がします。(今までも、そんな意思を持って行動してきたつもりです)

福島駅前再開発から始まる未来

20年後、30年後、この再開発施設が「負の遺産」にならないためには、今ここで立ち止まって考えることが大切だと思います。僕たち一人ひとりが意思ある言葉で語り合い、自分ごととしてこの街の未来を描いていく。それができれば、この街はもっと素敵になるはずです。「福島駅前再開発」。それは単なる建物や施設計画ではなく、この街そのものについて考えるための一つのきっかけなのかもしれません。先日の記事でも書いたように、大切なのは“自分ごと”として捉えること。そして、自分なりの意思ある言葉で語り合うこと。それこそが、この街をもっと素敵な場所にする第一歩なんじゃないかなと思います。

あなたなら、この街に何を求めますか?

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私にとってのふくしま福島駅前再開発

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伊藤愉快

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