日常市「Hello Fukushima‼」 画像

「日常が少し広がるだけ」の時間

「イベント」と聞くと、どこか遠くの、特別なものを想像するかもしれない。
けれど「日常市」は、そんなイメージとは少し違う。

駅前の再開発が進む福島市の中心部――その隙間に生まれた一日限りのマーケットは、
あくまで「私たちの暮らし」の延長として、街角にぽつんと現れました。

手づくりのテーブルと、白い布がかかった小さな屋台。
コーヒーや焼菓子、クラフト雑貨やZINEが並ぶその光景には、来場者の笑顔とゆるやかな時間がありました。

まちなかの空き地に、ふっと現れた“広場”。
「このまちを、木で家具から考える」

出店者たちが紡ぐ「日常の景色」

この日集まったのは、福島で活動する個性豊かな出店者たち。
どのブースにも物語があり、それぞれの営みがこの場所を“特別じゃない特別”に変えていました。

AISTI(@aisti_ploion)

エスプレッソやハーブドリンク、サンドイッチなど。ラフで洗練された世界観。

Velum(@velum_jp)

ジャスモナイトという素材でつくられた雑貨たちは、カラフルでやさしい存在感を放つ。

窓辺(@madobe___)

見た目もかわいらしい焼菓子たちが並び、ちいさな休息をそっと届けてくれる。

CHN(@hoji10)

ルーロー飯と麻婆豆腐のあいがけプレートが大人気。街中にスパイスの香りが立ちのぼる。

達磨農園(@daruma_nousen)

にんにくスパイスや万能だれなど、達磨農園のにんにくを使ったこだわりの加工品が魅力。

スナック愉快(@tanosii_kai)

ナチュラルワインやクラフトジン、サワー系カクテルを取りそろえた、酒交場

このほん、このまち(@kono_hon.machi)

「本を通じて、思いがけないつながりが生まれる場」読み終えた本が誰かの元へ届き、新たな循環が生まれていた。

YOUNiiiiQ(@youniiiiq)

ZINEの販売。ローカルと個人が交差する紙のメディアが日常市では観光案内所の役割にも。

FuTu(@futu_2024)

この空間をかたちづくったのは、彼らが手がけたストリートファニチャーたち。

ただ「そこにいる」ことの豊かさ

出店する人も、訪れる人も、まちの当事者。
まるで公園のように開かれた場に集まって、それぞれの関わり方で心地よい余白を共有していたこの日。

何かを買うでもなく、誰かと話すでもなく、ただ座ってぼんやり過ごす人の姿さえ愛おしい。
まちは、こんな風にして、誰かの手によって少しずつ耕されていくのだと感じました。

だからこそ、誰かが助けてくれることに甘えたりせずに、
言っていることとやっていることが矛盾しないように、
自分たちの想いを形にしていくのが、大切な在り方ではないだろうか。

「特別なことではなく、日常が少し広がるだけ」
そんな考えのもとに集まった人々がつくる場には、
肩ひじ張らない優しさと、確かな意思が共存していました。

Produce by Ploion(@ploion_logbook)

INFORMATION

駅前にぎわい広場

福島市がJR福島駅東口の再開発エリア内に設けた暫定利用の公共スペース。​
再開発工事が始まるまでの期間、地域の賑わい創出を目的として、市民や団体に開放されている。

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伊藤愉快

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