Lives - 生きること

可惜夜

Lives – “日常の言語化”

朝、目覚めた時に感じる冷気でその日の寒さを覚悟する。
蛇口を捻り、コップ1杯の水で乾燥した喉を潤し、身支度を始める。
お店の準備を終えたら、ご褒美の珈琲。厳しい冬だからこそ、お客様を迎え入れるための朝の儀式を成し遂げた自分へはより一層甘やかす。数多ある珈琲豆から気分に合わせて選択し、豆を挽く。自分へも愛を込めてドリップすることで、1日の始まりがより良く始まる。そう思ってます。

皆様の1日の始まりって言語化できますか?
言語化すると自分のルーティンや日常には豊かさが転がっていることに気づく。忙しない時だからこそ、立ち止まってみるのもいいですよね。

実は、12月から夜カフェを開いております。
”可惜夜カフェ”
可惜夜は、明けてしまうのが惜しいほどの素敵な夜。コンセプトはひとり時間。
私は占いやUFOを信じる人間で、最近は、占星術をよんで日常に活かす事が多いのですが、新月の日には願い事をするのがいいと言われるのはご存知でしたか?
可惜夜カフェはできるだけ、新月に近い日を狙って営業しています。勉強、日記、読書、仕事。あぁそうそう。日常を言語化するのも良いかもしれません。そんな時間があると、なんだか心に豊かさがあるなと感じます。

Lives-“豊かさ”

ところで、豊かさって聞いて何を想像しますか?

お金を沢山持っている状態。
好きなものを好きな時に買うこと。
ブランドものを買って持っていること。食べるものが沢山ある様。
そういった物質的な豊かさ。

はたまた…
明日の休日はあの場所に行こう。あ、やっぱりあっちもいいなぁ。
あの人はあんなことで頑張って輝いているなぁ。なんだかあの人に会いたくなってきた!!
お店に飾ってある絵画が前来た時と変わってる。自分は前の絵画が好きだったけど、この絵画の世界観も気になるなぁ。
冬の早朝に河原を散歩した時に見た霜が光る朽葉色の草原。とか。
そういった心や感情、五感で触れる豊かさ。

残念なことにお金がないと生きていくのは難しい世の中です。
それでも、収入が多い芸能人が破産したり、政治家がお金の問題を起こすのはなぜでしょうね。
私は、五感で触れる豊かさが無ければ、いくらお金があっても豊かな人間にはなれないと思うんです。

有難いことに、私が日常を送る福島では、”五感で触れる豊かさ”に出会えるきっかけが豊富に転がっていると思います。自由に表現し、さらには尊重し合うお店の店主達がいて、サウナや温泉に行く時は同じ距離感で3〜4つ(飯坂・高湯・土湯・岳)から選べるし、都会へのアクセスも悪くない。別に、都会の人達に分かってもらって欲しいと懇願はしない。事実として、私の日常には素敵で個性ある選択肢が多くあって、生活がとても楽しい。強いて言うなら、街のためにとか周囲のためにって、好きな事を自由に頑張りすぎているから、2024年は自分への愛を注いでいきたいなと思うくらいである。
そうだね。次回は”愛”について書いてみようかな。

可惜夜カフェ営業中の私は、ひとり時間を贅沢に過ごすお客さんを眺めながらそんなことを考えていた。カフェの片付けを終え、お店を出ると人気の無い冬の夜街が聴覚を刺激する。そして決まって、”お疲れ”と天満月が星屑街の中から声をかけてくれる。

福島に住まないとこの感覚を実感するのは難しいかもしれない。


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WRITER

齋藤 友希の写真

齋藤 友希

’96年1月 福島出身 ’18年4月〜’20年10月 旅行会社にて営業・店頭・添乗員を経験 ’20年11月 福島に若者が世界観を広げれるハブ空間を。 Vase~Stay&Lounge~ プロデュース '22年9月 THE COFFEE’S プロデュース

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