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MIKU にとってのふくしま

私は福島で生まれ育ち22歳になるまで地元を離れて暮らしたことは一度も無かった。そんな私だが昨年末(2021年)に縁があって地元から遠く離れたオーストラリアで生活している。こちらで生活を始めてもうすぐ1年になるが、世界各国から移民が集まるオーストラリアでも沢山の人が“FUKUSHIMA”を知っている印象を受けた。しかし、多くの人が想像している福島はやはり東日本大震災、津波、原発事故関連で、現在の福島のことはほとんどニュースにならない為、震災から11年以上経った今でもこれらのネガティブなイメージは強く根付いている。実際の福島は良いところが沢山あるが、改めてこの現実を目の当たりにして悲しくなった。

この経験から福島についてあまり知らない人やまだネガティブなイメージを持っている人などに知ってほしい福島の魅力と、私にとっての福島とはどんな場所なのかについて考えた。

まず、福島は何と言っても自然豊かで四季折々の風景と旬の食材を楽しむことができる。春には花見山に咲き誇るたくさんの花々が福島の街を鮮やかに彩る景色を見に足を運んでほしい。夏はたくさんの夏野菜や果物の季節だが、中でも福島の桃は大きいだけでなく、みずみずしくて一段と甘い。世界中の人に福島の桃の美味しさが伝わればいいのになあと思う。緑が鮮やかな山々と田園風景も夏ならではだと思う。
私の祖父母は農家で主にお米を育てていて、秋に稲が黄金色になる時期に収穫の手伝いをしていたが1年間大切に育てたお米はふっくら甘くて美味しい。冬には特に会津に雪が多く降り茅葺屋根の民家が立ち並ぶ“大内宿”では風情を楽しむことができる。
福島には温泉街もたくさんあり、観光者のみならず県民も気軽に利用できる日帰り施設や宿が多くある。

春の花見山から見える福島の街並み
二本松市にある祖父母の家から見える夏の風景
南会津の大内宿の雪景色

また、人と人との関係が近い為、家族や親戚だけではなく近所の人や地域の人々ともお互い助け合って生活しているのも福島の人の良いところだと思う。特に2011年の大震災の時にそのことを実感した。電気や水道が止まり食糧や生活必需品も不足する中、足りない物を補い合ったりお互い声を掛け励まし合ったのを覚えている。このことがきっかけで更に福島の人の温かさを感じるようになった。

今まで当たり前のように日々過ごした場所だが、私にとって福島は何気ない日常から小さな幸せや楽しみ、発見に出会える場所であり、私の地元は福島だと胸を張って言えることに改めて喜びを感じる。出会う人々に“福島って素敵な場所なんだな”、“福島に行ってみたいな”と興味を持ってもらえるように福島の良さや魅力を積極的に伝え、少しでもネガティブなイメージを減らすことで今の私にできる福島への恩返しをしていきたい。

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MIKU

福島県出身 オーストラリア在住 ローカルカフェでバリスタ修行中

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