星野和宏 / WINE BAR HOSINO
昨年の12月、黒磯に「気まぐれ旅行」へ行った。
予定はしていなかったのだけど、前日に週末の予定がなくなり暇になったから。
予定が空いた時は、久しぶりにとことん寝ようかな~と思っていたのだけど、朝起きて、ふと「黒磯に行こう」と思いたち、ノリで行くことを決めたのだった。
誰かが言っていた“旅は気まぐれ”
とは言いつつも、黒磯には前々から行きたいとは思っていた。
理由は「A GUIDE to KUROISO」という一冊の本との出会いがあったから。この本は“黒磯”という街がどんな街なのかを温かく教えてくれる本です(気になった人は、是非読んでみてください)
「黒磯ってどこ?」って思う人も多いだろう。黒磯は栃木にある。わかりやすいところで説明すると那須の方。
はじめて黒磯を目的に行ったのだけど、思ったよりも近かった。電車を使って、福島駅-黒磯駅で約2時間。途中乗り換えが必要だけど、田舎道をぼけーっと眺めていたら着いていた。
(片道2,000円くらい、詳しくは忘れたけど途中suicaが使えない区間があるから気を付けて(笑))
旅のしおり
旅の目的は人それぞれで、その時々で変わると思う。ご当地グルメや名産品などの食べ物を目当てに、行ってみたい店や会いたい人がいるから、みたい景色やそこでしかできない体験を求めてなど。
僕は、旅行する時に予定を決めて動くのが苦手だ。ある程度行きたい店や場所の目星は付けておくけど「何時にこの場所に行って何時間滞在して移動時間は何分掛かるから・・・」のようなことはできない(笑)
なので、今回もすべて行き当たりばったりの行動をしていた。そのせいで、泊まりたかったゲストハウスは満室で泊まれないなんてこともあったけど、「見て・話して・食べて」黒磯という街を堪能することができた。
考えてみると、街を歩く旅行ははじめての体験だったかもしれない。
今回、黒磯での移動手段はすべて徒歩だった。歩いて回れる街って、いいな。
僕は「選択と巡り合わせに身を任せてみる」みたいな行動の仕方が好きだ。その時々の感情や気分で”何を食べようかどこに行こうか何をしようか”を決めてみる。
そうすると、旅のしおりは、その日の自分で作ることができる。
きっかけは、黒磯の本ではじまった旅行だったけど
気が付いたら、自分だけの黒磯の本ができた気がした。
知らない道に、歩き出してみる
今は、すごい世の中だ。インターネットが発達してAIがほしい情報を入力ひとつで提供してくれる。
SNSは、自分以上に自分のことを分析して関連したものだけを表示してくれるし、自分に必要か不必要かの判断までしてくれる。AIが自分の進む道を決めてくれるのだ。
そんな世の中だからこそ、僕にとって今回の旅のきっかけが“一冊の本”となったことは、とても貴重でこれからの旅行の仕方が変わるきっかけにもなった。
“効率の良さ”を手に入れたせいで“新しい”と出会うきっかけ減ってしまっている世の中で「自分だけのしおり」を作ることは、誰かのきっかけを作ることができるんじゃないかな。
あなたの「旅のしおり」を教えてください