豊かさ以前に忘れていた時間
自分たちの行動や言葉が、同じように飯坂町を変えたいと思っている人に届いた。そして、直接会いに来てくれて、一緒にやろうと手を差し出してくれた。今まで、僕たちの行動を見守ってくれる人や言葉に耳を傾け応援してくれる人はたくさんいたが一緒にやろうと言ってくれた人は初めてだった。だからか、すごくうれしかった。
そして、「自分たちならできる」なんとなく、そう思うことができた。
飯坂でなにができるのか?
チャンスが来た。これまでも、飯坂でやりたいことを考えていたが、改めて飯坂でなにをやりたいか考え直した。廃旅館のリノベーション?空き店舗の活用?やりたいことおもしろそうと思うことは他にもいくつかあったが、どれもお金が掛かることばかりで現実的には難しかった。そんな時、提案してもらったのが飯坂町の観光文化交流施設で重要文化財にもなっている「旧堀切邸」を使ったイベント。飯坂温泉街の中心部にあり、今までも何度かイベントは開かれていると聞き「ここで僕たちなりのイベントをしたい。新しいなにかをしよう!」そう思い決めたのが最初の一歩だった。
あるもの、ないもの、僕たちにできること
じゃあ、どんなイベントをやろうか?イベントといっても形はいくつかある。最初は、自分たちにできることでやりたいことのひとつでもある「福島の若者たちが輝けるイベント」を考えた。音楽のイベントや福島でなにかを新しく始めたいと思っている人たちのチャレンジショップのマーケットなど。でも、考えているなかで気が付いたことがある。ただ、自分たちのやりたいことだけをやっていいのか?飯坂でやる意味・福島でやる意味、そして僕たちがやる意味はなにか。そこを考えないといけないのではないだろうか?
そして、ここでもう一歩踏み出した「飯坂の風情ある景観とロケーションの中で、今の福島にあるコンテンツを使った新しいイベント」。これが僕たちのやるべきイベントの形だ。
「コーヒーフェスティバル」
数年前に東京のコーヒーフェスティバルに参加したことがある。当時は知識もなく、好きではあったが少し距離と偏見をコーヒーに持っていた。でも、イベントに参加してみると今まで知らなかったコーヒーのことを知ることができ自分の世界観が広がった。コーヒーがメインのイベントではあったがコーヒー以外の店舗もたくさんあって、コーヒーが飲めなかったとしても長時間楽しむことができるイベントだった。ドーナツ・ハンバーガー・チョコレートにクラフトコーラなど。新たな出会いのオンパレード。この時、「こんなイベント(空間)が福島にもあったらな」と漠然と考えていた。
そして今回、そんな機会が得ることができた。自分の頭の中で考えていたことがパズルのように上手く当てはまった。「飯坂温泉(旧堀切邸)という場所であの時の空間を僕たちの形で創ろう」。偶然が重なり、行きついた先にあったのが「コーヒーフェスティバル」。仙台や都市部では、既に行われていて福島県でも会津をはじめ行われているイベントではあるが、なぜか福島では行われていなかった。ここ数年で増えたカフェやロースタリーを福島の人や県外の人に知ってもらう良いきっかけづくりになるのではという点でも、本当に自分たちのやりたいことが上手く当てはまった瞬間だった。
歩き始めた
(ここから、今回の「THECOFFEE‘S」実行委員長 齋藤友希の想いになります)
私は、人と同じことをやるよりも新しいことに挑戦したい。新しいことには、常に個性を混ぜることができると思う。それは、イベントも同じ。
福島には、私が生まれるよりもずっと前から行われている祭りやイベントがたくさんある。長く続いているもの、変わらずあるものは必要なものだからこそ在り続けるのだと思う。その上で、新しいイベントも必要なのではないだろうか?というより、これから福島で生きていく人間として、その時々で楽しみを更新できるような場所に福島をしたい。不変的で、必要なものはちゃんと福島にある。だから私は、福島にあるものもないものも知った上で、今の福島を生きている人間として可変的で今必要なものを創り出したい。
福島にあるものもないものを、僕たちがやりたい形で、新しく創っていく。
INFORMATION
THECOFFEE’S(ザコーヒーズ)
福島市内外のロースタリー・カフェが集結し、福島の飲食店・アパレル・雑貨店による出店販売やDJによるミュージックセッションなど。様々なコンテンツが融合したコーヒーフェスティバル。
Instagramはこちら
- CATEGORY
- EVENT
- HASHTAGS
- 福島THECOFFEE’Sコーヒーフェスティバル