伊藤 愉快にとってのふくしま
外から見た福島
福島市に生まれた私は、大学受験の時、どうしても福島県から出たくて仕方ありませんでした。
都会に憧れ、一人暮らしに憧れ、埼玉の大学に進学。
新卒入社した会社の配属先は茨城となり、なんだかんだ8年程、福島から離れていました。
その8年の間で起きた出来事が、東日本大震災。
当時、福島にいた家族には「めいだけでも福島を離れていてよかった」と言われました。
でも離れていた私は「なぜ福島にいないんだ。」と思っていました。
裏切り者のような気分でした。
連日流れる福島の被災状況や福島の人を労わるような内容のニュース。
その全てがしんどかったことを今でも覚えています。
ふと、「なんでこんなに福島の話を聞くのがしんどいんだろう」と考えた時、福島で生まれ育ったのに”外”にいるからだと思いました。
私には、福島を外から見ているのがしんどかったんだと気付きました。
きっかけは、ここにある
福島に戻って6年。今は二本松市の岳温泉で仕事をしています。
ありがたいことに「この人と仕事がしたい。」「この人たちのために頑張りたい。」と思える仲間と一緒に、毎日楽しく仕事をしています。
たくさんの人に知ってほしい、想いを持った人や想いのこもった商品・企画がたくさんあり、職場であるマウントインという枠をはみ出しながら岳温泉の広報活動を行なっています。
県外で仕事をしていた時よりも、間違いなくやりがいを感じています。
それもこれも福島の”中”に戻ったからこそ出会った人であり、仕事です。
私にとっての福島は、”外”から関わるべき場所でなく”中”で自ら奮闘する場所。
そして、今の自分に繋がる「きっかけの場所」です。