「ふらしゃ にとってのふくしま」
学校の教室のような古着屋をつくる 松下遥希さん【Youth Finder】
自分の考え・手段で何かをしたいと思っている人・挑戦している人が福島にはたくさんいる。
「Youth Finder」では、様々な活動をしている、福島県出身・在住の若者(10~20代)をピックアップしていく連載企画です。
5人目は松下遥希さん(21)。「教室のようにくだらない話で笑える空間をつくりたい」という思いから古着屋「CLASS」をはじめた松下遥希さん。将来は、古着屋を持ちたいという夢も抱く彼にお話を聞きました。
現在の活動について教えてください
CLASSという古着屋を運営しています。
福島大学近くのコンテナスペースを使って、月に1回の頻度で営業していました。
仙台や東京のバイヤー業者様にアポイントを取り、1点1点丁寧にデザインや状態、年代などを直接自分の目で確認しながら買い付け作業を行なっています。
そのため毎回の在庫数は50着程度と他の古着屋より少ない在庫数ではありますが、その分1着1着が思いの込もった1点物となっております。
二本松のマルシェへの参加や、お世話になっている先輩が営むシーシャカフェとのコラボイベントも行いました。その甲斐あってか、半年目を迎える6回目の営業では、市外からのお客さまもご来店頂けることが増え、大変嬉しく思います。
3月の営業から学生ということもあり、研究活動や就職活動のため、営業期間を見送らせて頂いているのですが、再び営業した際にはぜひ店頭で皆さんと服について楽しく会話したり、服以外のもっとラフな会話なんかもしたいですね。
現在の活動を始めた”きっかけ”を教えてください
実は、大学2年の秋にコンテナスペースを使っておばあちゃんが作る喜多方ラーメンを再現し、友達6人くらいを誘ってラーメン屋をやったこともありました。
「次はそのスペースを使って自分たちが好きなものをたくさんの人と共有できたら」という思いがあり、友達の”こたろー”と自分たちの好きな服を買い付けて古着屋をやりました。
それに加えて僕の高校の同級生、”しゅら”という学校で1番奇才でオモロい友人も誘い、服の好きなジャンルも性格も違う3人で年齢も服の好きなジャンルも違う人たちが学校の教室のようにくだらないことを話して笑えるそんな空間にできるよう「CLASS」と名付け、始動しました。
活動を始めて変化したことはありますか?
変化したことはコミュニティですね。
最初、お店に来てくれるお客さんは運営している3人の知り合いばかり。でも、3人それぞれの知り合いと仲良くなれたこと。これがまず1つ目のコミュニティの広がりでした。
正直、初回の営業はほとんどが自分たちの知人でした。自分たちにはわざわざ店に足を運んで服を買ってくれる人たちがこんなにもいるんだとういう感謝の気持ちは今でも昨日のように思い出すことができます。それと同時に自分たちの宣伝力の甘さを痛感しました。
しかし、メディアに取り上げてもらったり友人にインスタのストーリーで宣伝してもらうことで徐々に認知は広がり、5・6回目の営業では、市外からわざわざCLASS目的で来て頂けたり、年齢が自分たちより上のお客様も来客して頂く回数が増え、CLASSを始める前では知り合うことはない人たちとの関わりを持つことができました。多くの人たちと知り合えるチャンスがあったことはこの活動のメリットとして大きな要因の一つだと思っています。
人生に影響をもたらした”モノ”
服とは全く関係がないんですけど、スラムダンクですね。
僕は小学校6年生から高校3年までバスケットマンだったんですけど、小学校5年の終わりにお父さんの部屋の本棚にあった日焼けで黄ばんだスラムダンクを読んだ瞬間、僕の人生やるのはこれだって思いました。
でも流川みたいにスーパーエースには慣れず、花道みたいに急成長もできずじまいでしたが、まさかの高校はバスケの推薦で入学することができました。でも高校入って自分よりうまい人は沢山いて、僕のバスケ人生は高校でピリオドを打つことになりました。ですが、スラムダンクから学べたことはバスケはもちろん、桜木みたいに好きな女の子ためにバスケあれだけ頑張るとことか、流川みたいに上手くても野心持って目炎にして上を目指すところとか、人生で役に立つことも沢山載ってる教科書でした。
福島の印象を教えてください
福島を21年間1歩も出ることなく生活しています。
本当は勉強がもっとできれば関東の進学も考えていました。ですが、今では良い選択だったと思っています。
高校まででは気づくことができなかった福島の良さに気づくことができたからです。車を持ち、行動範囲が広がって会津や磐城の良いところも見えました。福島大学でなければコンテナを借りて挑戦をすることはできませんでした。住む人も暖かくていい人ばかり水も果物も美味しい!
でも若者が離れて高齢化が進みすぎてる気がします。
その要因の一つは職業の幅の狭さにだと思います。僕は現在、就職活動の最中で福島の企業について調べていますが、やはり関東との職業の種類、企業の数の差に驚きます。転職やキャリアを身につけたいと考えた時に、少し不安になります。
今後の展望/目標を教えてください
今はkawl.というお店で働かせて頂いているんですが、店主のしょうたろうさんからは学べることが沢山あります。自分でやってみたからこそ思ったのですが、写真を1枚撮るでも、服を買い付けるでも、全てが勉強になります。しょうたろさんの思いが詰まったkawl.を僕は1人でも多くの人が知って貰えるように発信していければと思っています。店に置いてある服やそれ以外の内装1つとっても思いがこもっているいいお店なのでぜひ来たことない方は1度足を運んで頂ければ嬉しい限りです。
今後も服に関わることはやっていきたいと思っています。夢は自分のお店を文化通りに建てることが最高なことだと思います。「仙台に買い物に行く交通費分も服に使いたい」そんな思いを持った人がいると思うんです。でも、仙台に負けないくらいオシャレな服屋もカフェも文化通りにはあると思います。そんな通りに店を立てることができたら最高です。
プロフィール
名前:松下 遥希
出身地と在住地:福島市出身・在住
趣味 / 特技:趣味は最近映画見るのにハマっています。特技はやりたいことをすぐにやること。