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佐久間千秋 にとってのふくしま

福島県出身、福島県育ち。

地方の田舎の自然が有り余るほどの場所でのびのびと育った。

高校時代、ウエディングの仕事を夢見ていたが、行きたかった県外の専門学校への進学は叶わず、県内の短大へと進学をした。そこで唯一興味のある食の分野の学科を専攻した。当然、本来学びたかった分野とは違うので、就きたい職業もやりたい仕事も無かった。自分が将来何をしているかなんてイメージすら浮かばなかった。

しかし突然、私の世界が変わった。

当時の恋人と一緒にとあるカフェへ行った。そこはコーヒーが売りのお店だったが、私はコーヒーが嫌いだったので甘さが加えられているカプチーノを飲んだ。彼の前に出されたのは琥珀色のような、氷の輝きが見えるコーヒー。なぜかそのコーヒーに惹きつけられ、飲んでみたくなり、一口もらった。

衝撃的だった。苦くない。すっきりしていて、まるで紅茶。苦い以外の味わいや香りが口の中に広がった。こんなコーヒーが世の中にはあるんだ。コーヒーの面白さに気づいた瞬間だった。

その日から私の生活は一変した。あんなに嫌いだったコーヒーをいろんなカフェで飲むようになり、そのお店の店主さんやそこに来るお客さんとコーヒーにまつわる話を沢山した。タリーズコーヒーでアルバイトを始め、コーヒーについて深く学ぶ機会が増え、その知識をお客様に伝える楽しさを知った。コーヒーがきっかけで話すようになった人、仲良くなれた人もたくさんできた。コーヒーを提供する側、コーヒーを提供してもらう側の両方に接し、私は次第に『自分だけのコーヒーを提供したい』と思うようになった。

福島で、人と人、人と珈琲が繋がる空間を作りたい。

今の私の夢。

私がこの夢に向かう中で大切にしていることがある。それは横の繋がり。地産地消という言葉があるけど、まさにその通り。地元のロースターさんが焙煎した豆を使って、地元で店を開き、地元の人に私の淹れたコーヒーを飲んでもらう。地元にこんなにいいものがあるのに、それを地元の人が使って提供しなければ、いいものを作っている生産者さんのことを消費者に伝えることができない。

いいものを伝えること、生産者さんのことを知ってもらうこと。

そして、もうひとつ。私の淹れたコーヒーが飲みたいと言ってもらうこと、私に会いたいと言って来てもらうこと。

そんな空間で、私がコーヒーを好きになったきっかけのように、あなたが新しいコーヒーと出会ったり、また何か違う人やものに出会ったりしてほしい。

短大に入って夢も目標も何も無かった私が、こんなに夢中になれるものに出会えた。ここ、大好きな地元福島で。

『私は私を変えてくれた福島でコーヒースタンドを開く』

社会人になった今でもこの夢はずっと変わらない。

いつかあなたに会えることを楽しみにしています。

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佐久間千秋

福島県田村市出身。『人と人、人と何かを繋ぐ空間と珈琲を。』をコンセプトに県内でコーヒースタンドの活動をしている。

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