ひろい にとってのふくしま
郡山市で生まれ、進学を機に会津若松市へ、そして卒業と独立を機に福島市へ。今に至るまで23年間、ずっと福島の景色を見て育ってきました。
短大時代に志したグラフィックデザイナーという道に進むために受けた福島市内の会社に内定が決まり新天地での生活に心躍らせていた矢先、諸事情あって内定が取り消しに。これからどうしようかと路頭に迷っていた中で出たひとつの結論が「フリーのグラフィックデザイナーになる」というものでした。
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私にとって福島は多くを与えてくれた場所です。
そこらじゅうに溢れる美しい自然は、苦しかった日々に心の安らぎを。温泉街は、疲れた体にじんわりと染み渡る幸せを。お世話になった美容室は、一歩踏み出すきっかけを。近所の黒い野良猫は、仕事の合間にちょっとした癒しを。そして福島のあたたかい人たちは、仕事がうまくいかず挫折しそうだったときに無意識のうちに私の心を救ってくれていました。
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はじめに書いた通り、私は就職の道を捨てフリーグラフィックデザイナーとして活動してきました。
もちろん、苦しいことや嫌なことも思い返せばたくさんありましたし、福島での生活は楽しいことばかりではありませんでした。むしろ苦しいことのほうが多かったかもしれません。
それでも私は福島が好きです。
都会みたく最先端に触れることはなかなか難しいかもしれないけれど地域に根付いた文化や素敵な場所がたくさんあります。熱い心を持ったおもしろい人がたくさんいます。
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これからしばらく、私は東京へ拠点を移します。でもいつか必ず、福島が恋しくなると思います。福島に戻ってくると思います。