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⾷堂ヒトト【⾷堂の歩きかた】

⾷は、体だけでなく、⼼も満たしてくれる。

⾷べることで幸せを感じる私にとって、⾷はこころの栄養でもあった。

しかし、3 児の⺟となった今、忙しい毎⽇を⾷に追われるようになり、楽しみだった⾷は苦痛なものとなってしまった。

私にとって⾷堂ヒトトは、丁寧に⾷を楽しむ事を思い出すための⽌まり⽊なのだ。

⾷堂ヒトト

福島市内、⼤町。趣のあるビルが建ち並ぶ、中⼼街の東端。

レトロな街並みは変わらないが、お店は新しいテナントでいっぱいだ。アーケードを進むと⾒えてくる、あたたかみのあるグレージュの建物。

1階のメガネ屋さんには、いつも温かい明かりが灯る。

2 階へ登ると、そこには花屋さん。ユーカリの澄んだ⾹りに、⾝も⼼も浄化される。

レコード屋さんを横切り、⻑い階段を 3 階まで登ると、そこにあるのが⾷堂ヒトトだ。

「ニューヤブウチビル」昨年の塗装⼯事で⽩から塗り替えられた

店先から 2 つの⼩窓を覗くと中の様⼦が伺えるが、いつもお客さんで賑わっていて、お店へ⼊る時は席が空いているか、ドキドキする。

ずっしりとした、⽊の扉を開けて中へ⼊ると、お出汁の良い⾹り。古材でしつらえた店内、温もりがあって好きだ。

穏やかな優しい⾳楽に⽿をすませて、ぼーっとお料理を待つ。

階段を登ると店先に⽣けられた緑が私たちを出迎えてくれる
⽊の温もりがあたたかい店内

⼤好きなヒトト定食

私がよく注⽂するのは、ヒトト定⾷。メインとサブのおかずに、⼩鉢が 2 品、お味噌汁とバランス良い献⽴が並ぶ。ちょいカレーがあるときはそれと、ミニデザートも付けて、リッチにいただく。

「ヒトト定⾷」(1600 円) +「⼀⼝⾞麩カツ」(150 円)
私は「ヒトト定⾷」に「ちょいカレー」を付けて、4 才の息⼦は「こども定⾷」をいただいた
暑い⽇にいただいた 「さっぱりミニデザートと梅ソーダ」

ご飯は⽞⽶か七分づきの⼆種類だが、旬のお野菜の⼊った特別なご飯が選べる⽇もある。味噌汁は、丁寧に取られた出汁だけでなく、たっぷり⼊ったお野菜の⾹り、旨みがぎゅっと詰まっている。⼩鉢は、箸休めに丁度いい、優しい味付の⽩和えやヒジキ煮、浅漬けなど。

おかずは季節や時期によって、旬のお野菜を⽣かした⼀品が並ぶ。お野菜の素材の味の邪魔はせず、それでいてご飯のお供として成り⽴つ、しっかりした味付けになっている。

そして、⾷堂ヒトトでは、お⾖腐が七変化する。がんもどき、⿇婆⾖腐、厚揚げのチリソース炒め、何に化けてもお料理のセンターを飾る最⾼のおかずになる。

この⽇のメインは「旬のお野菜と厚揚げのチリソース炒め」ご飯はピーナッツの⽢みと⻭ごたえが最⾼だった

沢⼭あるおかずの中で、どうしても⾷べたくなるのが、⾞麩のカツ。下味がついた⾞麩に、⾐を付けて揚げてある。サクサクの⾐を 1 ⼝噛むと、⾞麩に染みた⾹りの良いつゆがじゅわっと出てきて、⼝の中いっぱいに広がる。⾞麩をカツにする⾷べ⽅は初めてだったが、⼀瞬で虜になってしまった。⾞麩のカツにかけてあるタレは⽇によって様々だが、私は⽣姜醤油が特に好きだ。⿐を抜ける⽣姜の⾹りが、さっぱり⼼地よい。メインのおかずが⾞麩のカツでない時は、⼀⼝⾞麩カツの追加をオススメしたい。

⾞麩カツがメインの「ヒトト定⾷」

⾷材と丁寧に向き合う

どうして、⾷堂ヒトトのお料理はシンプルなのに美味しくて、何度も⾷べたくなってしまうのか。

⾷堂ヒトトの Instagram の投稿に、お野菜を煮たり、焼いたり、蒸したり、揚げたり、試⾏錯誤する⼀節があった。⾷堂ヒトトのお料理には、無農薬で丁寧に育てられた旬の⾷材が、ふんだんに使われている。⼿塩にかけて育てられたお野菜⾃体の、潜在能⼒は勿論⾼い。しかし、その⾷材の個性によって、⻑所が変わる。どう調理するのが⾷材の良さを引き出せるか、⾷堂ヒトトの皆さんは常に向き合っているのだ。

そして、⾷堂ヒトトで使われている、伝統的な製法でつくられた調味料。何処の誰が作った調味料か、説明を受けたのは、⾷堂ヒトトが初めてだった。お味噌も、お醤油も今まで⾷べたことが無い深い味わいがある。

丁寧なものづくりをしている、⼈と、⼈とが繋がって、丁寧な仕事を紡いだ結果、私たちの体に優しい、⼼がほっとするお料理が⾷べられる。

何度も⾜を運びたくなる理由は、そこにあるのではないかと、私は思う。

⾃分⾃⾝と向き合うきっかけ

丁寧に仕込まれたお料理を、じっくり、しっかり、味わう。この時間が、今の私にとっては最⼤の贅沢で、最⾼のご褒美だ。

最近は、栄養補給のためだけに⾷事を摂り、⾃分が何を⾷べたいか、どんな料理が好きだったのかも、わからなくなるときがある。忙しく⾷事を摂ると、味もしないし、美味しくないし、楽しくない。

⾝も⼼も⼤事に出来ていない、⾃分に気がついた。

⾷堂ヒトトは⼀歩⽴ち⽌まってゆっくりご飯を楽しむ場所であると同時に、丁寧に⾃分と向き合う場所にもなった。

「テイクアウトした焼き菓⼦」⼦どもたちが寝静まってから頂くのが⾄福の時

⾶び回る⽇々はしばらく続く。思うようにいかない毎⽇は、なかなか変わらない。でも、ときには⾷堂ヒトトで⽻根を休め、⼼と体と向き合い、幸せで満たすのだ。

INFORMATION

食堂ヒトト

営業時間:11:30-15:00(LO14:30)
定休日:毎週⽕・第 1・3 ⽔曜⽇

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羽根田

医療系のお仕事しながら 3 ⼈の⺟やってます将来は⾃分のお店を持つのが夢

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